データ管理機能が canvas とリストに適用されるしくみ

canvas とリストを使えば、Slack の中で安全な方法で連携し、情報を共有できます。Slack のこれらのツールを使用して仕事を進める場合にセキュリティとデータ管理機能がどのように適用されるかについて、詳細をご覧ください。

 

データの保存、編集および削除

canvas とリストは保存ポリシーを共有します。選択したポリシーは、すべての canvas(チャンネル canvas を含む)とリストに適用されます。利用できる保存ポリシーは、プランによって異なります。

以下の canvas とリストのデータは、canvas とリストが手動で削除されるか、保存ポリシーによって削除されるまで保持されます。

  • canvas とリストの内容
  • バージョン履歴
  • コメントスレッド

注 :保存ポリシーが「設定した日数に限り canvas とリストを保存する」に設定された場合、保存期間は canvas とリストが編集されるたびにリセットされます。

 

エクスポートツール

canvas

ワークスペースのデータをエクスポートした場合、canvas の現在のバージョンが HTML 形式で含められます。ワークスペースや Enterprise Grid オーガナイゼーションにおいてすべての会話のデータをエクスポートできる場合、canvas の以前のバージョンもエクスポートに含まれます。canvas を含むエクスポートでは、以下のものが対象になります。

  • 現時点における canvas のテキストベースのコンテンツ
  • canvas のバージョン履歴すべての会話のデータエクスポートが有効な場合)
  • アンカーつきコメント
    canvas にコメントが含まれる場合、エクスポートにはコメントのテキストが存在する該当の会話メッセージファイルへの参照が含まれます。
  • 埋め込みファイル
    canvas にファイルが埋め込まれている場合、エクスポートにはダウンロード URL を含む該当のチャンネルメッセージへの参照が含まれます。


リスト

ワークスペースのデータをエクスポートした場合、リストの現在のバージョンが JSON 形式で含められます。リストを含むエクスポートでは、以下のものが対象になります。

  • 最新バージョンのリストのスナップショット
    スナップショットには、ブックマークに登録されたビュー、共有されているリストのレコード、フィールド、およびアイテムの制限されたデータが含まれます。
  • アイテムに関するコメント
    リストにコメントが含まれる場合、エクスポートにはコメントのテキストが存在する該当の会話メッセージファイルへの参照が含まれます。
  • バージョン履歴
    リストのバージョン履歴は、ワークスペースおよびオーガナイゼーションのすべてのパブリックチャンネル、プライベートチャンネル、ダイレクトメッセージ(DM)からのデータエクスポートを申請した場合に含まれます。 

Tip : 詳細については、Slack からエクスポートしたデータの読み方をご覧ください。

 

Discovery API と監査ログ API

Enterprise Grid プランでは、OrG オーナーが eDiscovery およびデータ損失防止(DLP)アプリを使用して canvas とリストのコンテンツを確認し、規制できます。canvas とリストのダウンロードとスキャン、およびコンテンツの廃棄や削除の実施には、既存の Discovery API エンドポイントを使用できます。

Discovery API

監査ログ API

canvas に対して以下の操作を実行できます。

  • API を使用して canvas を削除する
  • canvas への直接リンクを取得する
  • 最近作成または編集された canvas を取得する
  • canvas が編集された時間を確認する
  • canvas のコメントを取得する
  • canvas のバージョン履歴を取得する
  • メッセージ内で共有された canvas の廃棄と復元を行う


リストに対して以下の操作を実行できます。

  • リストのメタデータを取得する
  • リストへの直接リンクを取得し、現在および以前のバージョンを JSON 形式でダウンロードする
  • リストのスレッドメッセージ、削除されたスレッドメッセージ、またはメッセージ編集を取得する
  • 最近作成または編集されたリストを取得する
  • メッセージ内で共有されたリストの廃棄と復元を行う

canvas については、以下の監査ログイベントが記録されます。

  • canvas の作成、編集、または削除
  • canvas の廃棄または復元
  • canvas のオープン
  • canvas の共有または共有解除
  • canvas のダウンロード
  • canvas のアクセス権の付与、取り消し、アップグレード、またはダウングレード
  • canvas のバージョン履歴の有効化または無効化
  • リンクの共有の有効化または無効化


リストについては、以下の監査ログイベントが記録されます。

  • リストの作成
  • リストの削除
  • リストのタイトルの更新
  • リストのアイコンの更新
  • リストのテンプレートへの変換
  • リストのテンプレートを戻す操作
  • リストのセルの更新
  • リストの列の作成、更新、削除、または戻す操作
  • リストの行の作成、更新、または削除
  • リストのビューの作成、更新、または削除
  • リストのアクセス権の取り消し、追加、アップグレード、またはダウングレード
  • リストのダウンロード
  • リストリンクの共有の有効化または無効化
  • リストを開く操作
  • リストの廃棄または復元
  • リストのオーナー権限の譲渡

 

Enterprise Key Management

Enterprise Key Management(EKM)を利用すると、ユーザー企業は自社管理の暗号化キーを使ってデータをコントロールできます。canvas とリストの暗号化には、Slack のメッセージやファイルと同じキープロセスが使用されます。そのため、すでにオーガナイゼーションに EKM が設定されている場合、canvas またはリストのためにさらに設定する必要はありません。

  • キーのローテーション
    暗号化キーのローテーションが実行されると、canvas のデータは新しいキーで最暗号化されます。
  • キーの失効
    ファイルの失効と同じプロセスを使用して、canvas へのアクセス権を失効させることができます。

 

データレジデンシー

Slack のデータレジデンシー機能を使用することで、特定の種類のデータを保管する地域を選択できるようになります。データレジデンシーを設定した後に作成した canvas とリストのデータは、選択したリージョンに保管されます。データレジデンシーを有効にする前に作成した canvas またはリストのデータは、引き続き米国に保管されます。

 

訴訟ホールド

Enterprise Grid オーガナイゼーションでは、訴訟ホールド管理者のシステムメンバー種別を持つメンバーなら誰でも特定のメンバーに対して訴訟ホールドを設定し、そのメンバーによって Slack 内でやり取りされたメッセージやファイルを安全に保存できます。メンバーに訴訟ホールドを適用すると、canvas とリストのデータ保存ポリシーが上書きされます。canvas とリストは削除されても消去されず、有効期限に達しても自動的に消去されません。

チャンネルまたは DM canvas

独立した canvas

リスト

カストディアンがメンバーであるか、過去にメンバーであった会話に含まれるチャンネル canvas またはダイレクトメッセージ(DM)canvas は訴訟ホールドの対象になります。ホールドの有効期間中、チャンネルや canvas の中で発生したアクティビティに関する要件はありません。
次の両方の基準を満たしている場合、canvas を訴訟ホールド下に置くことができます。
  • 訴訟ホールドのいずれかのカストディアンと関連づけられている。
  • ホールド期間中にアクティブになっている。

カストディアンと関連づけられた
ある canvas がカストディアンと関連づけられているかどうかは、以下の条件によって判定されます。

  • ホールド期間の終了以前にカストディアンによって作成された。
  • ホールド期間の終了以前にホールド対象チャンネルに共有された。
  • ホールド期間の終了以前にカストディアンによって編集された。

canvas があるカストディアンに関連づけられているかを判定する場合、以下の条件は考慮されません

  • カストディアンがその canvas を表示した。
  • カストディアンがその canvas のファイルの会話に含まれている。
  • カストディアンが canvas にスターを付けるか、canvas を「後で」に保存した。

ホールド期間中にアクティブ
canvas がホールド期間中にアクティブだったと判断するには、以下の条件を満たしていることが必要です。

  • ホールドの期間中に作成または削除された。
  • ホールドの期間中にホールド対象チャンネルに共有された。
  • ホールドの期間中にコンテンツが誰かによって編集された。
  • ホールドの期間中にコメントの作成、編集、削除のいずれかが誰かによって実行された。
次の両方の基準を満たしている場合、リストを訴訟ホールド下に置くことができます。
  • 訴訟ホールドのいずれかのカストディアンと関連づけられている。
  • ホールド期間中にアクティブになっている。

カストディアンと関連づけられた
あるリストがカストディアンと関連づけられているかどうかは、以下の条件によって判定されます。

  • ホールド期間の終了以前にカストディアンによって作成された。
  • ホールド期間の終了以前にホールド対象チャンネルに共有された。
  • ホールド期間の終了以前にカストディアンによって編集された。

リストがあるカストディアンに関連づけられているかを判定する場合、以下の条件は考慮されません

  • リストまたはレコードがカストディアンによって開かれた。
  • カストディアンがリストにスターを付けるか、リストを「後で」に保存した。
  • カストディアンがそのリストのファイルの会話に含まれている。
  • カストディアンがリストアイテムを登録または登録解除した。

ホールド期間中にアクティブ
リストがホールド期間中にアクティブだったと判断するには、以下の条件を満たしていることが必要です。

  • ホールドの期間中に作成または削除された。
  • ホールドの期間中にホールド対象チャンネルに共有された。
  • ホールドの期間中にコンテンツが誰かによって編集された。
  • ホールドの期間中にコメントの作成、編集、削除のいずれかが誰かによって実行された。

注 :ホールドの期間中に canvas またはリストが閲覧されたことは、その canvas またはリストを「訴訟ホールドの期間中にアクティブ」とするものではありません。