Manga_tokano_nikki

主に漫画の新刊や新作の感想+評価を書いています。紙で買う事が好き。

エクソシストを堕とせない 9巻 感想

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エクソシストを堕とせない 8巻 感想 - Manga_tokano_nikki

 

あらすじ

協会は魔界の妨害工作により拠点を追われる傍ら、魔女のワルプルギスを阻止するべく夜会を襲撃する

しかし魔女をすんでのところで取り逃がし、どんどんと拠点を失うことになる

其れとは別に怠惰が神父くんに常に精神攻撃を仕掛けることで、神父くんは今やっていることがなんなのかを再考することになる…

 

 

以下ネタバレあり感想

 

 

 

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・神父くん

イムリで自慰したことを悔い改めるとはなんて信仰深いのだ

しかし神父くんの頭の中でイムリが「勝手に許しちゃいけないんだ」と言い出すのは何とも…

教えに背いた自分を許せないのか、人間と同じように赦しを乞う側に立っていることを糾弾しているのか

どのみち自我と欲望を否定しているという事なのだろう

だからイムリに抱きつかれたときにストレスが上がった、嬉しさや欲望のような私欲よりも罪の意識が勝っている

幸せの形が神に尽くすことという価値観から中々抜け出せないね…

 

そして魔女とボウリングね

ここで即悪漸として動かなくなったのは価値の再考をしているからに見えるけど、単純にメンドクサイと思っている側面もあるのではないか

怠惰のお陰で、行動の大義が神の御心から自身の願望に移り行く

だから今回は周囲が”争わなくていい”と言ったから争わなかった、説得されることを選んだ

そんな風に思った

目玉を取っていた初期から比べると大違いですね

変化を感じる一幕でした

 

・第三勢力

魔女達って七つの大罪に属していると思っていたけど、割と独立しているんだ

確かに魔女と大罪って別概念だよな…なんかリゼロで魔女=七つの大罪を司るみたいなイメージが付いちゃってた

 

で、魔女たちが目指すワルプルギスの夜ってなんぞと思って調べたけど、聖遺物輸送に成功したお祭りだのなんか色々な背景があるんだね(Wikipediaを見た)

とりあえず魔女と協会との決戦という事は分かった

で、諸外国ではワルプルギスの夜は魔女を追っ払った記念日的な扱い??

ワルプルギスの夜って魔女にとって敗北イベントなのね

まあ、そうか

協会側の歴史から見れば魔女は敗走してばかりになるよな

負けたなんて書けるわけないし、現代まで生き残った教えなんだから正義みたいに言えるもんな

 

・歴史とは

最後、神父くんは遂に「世界を愛せない」というところまで来ましたか

まあ、疲れますよね

人間は自分を律するのが難しいですけど、そのツケを一人で背負わされているんですから

いい加減自分のケツぐらい拭ってくれって気持ちがわくのは仕方ない

 

歴史は繰り返すというけど、本質的には理性と野生のせめぎあいよね

支配という理性が広まれば野生が戦を起こし自由を求める

野生という暴力が蔓延れば理性が正義を下しルールを作る

野生に寄りすぎても理性に寄りすぎても最適な環境が人によって違うから、生物として耐えられない

要はバランスと時代の潮流なんだが、人が生物である限り人間は野生と理性を内包するので簡単にはいかない

 

そう考えると正義って結構不安な土台に乗っているものね

結局は時代に愛されたかそうでないか

歴史とは皆の好きだったもの一覧なのかもしれないな

 

話を神父くんに戻すと、本当に神父くんも変わったよね

自分は神の遺志というところから、自分の意志で世界をどう見るか選ぶところまで来たのだから

イムリが神父くんを人間に堕としている、タイトルの完遂も近いね

まあ神父くんが自分でどの未来を選ぶのかは今の所定かではないが…

今後も楽しみですね

 

~~~~

★4

 

終わり

 

 

 

のあ先輩はともだち。 1-3巻 感想・評価



次に来るマンガ大賞でランクインしていたので買った

君に恋する殺人鬼は読んだけどオチ以外は良かったのよな

もう一度期待して読んでみましょう

 

情報

・連載場所:週刊ヤングジャンプ
・連載開始:2023年7月
・出版社:集英社


あらすじ

ゲームデザイナーの”理人”は、別部署の年上の女性職員の”のあ”と仲良くなる

距離感の壊れたのあに理人は振り回されながら日々を生きる…

 

評価

★★★☆☆3

 

のあ先輩のキャラを楽しむ作品なのだが…

のあ先輩は距離感がおかしくて重たくて面倒くさいを地で行く女なんだよねえ

割とキツイキャラなので合う合わないは露骨に出ると思う

 

それにたいして主人公の理人が上手くバランスを取っていると思う

理人は周囲に興味のないタイプの人間なんだが、ぐいぐい来るのあとは嚙み合ってる

そして割と遠慮なく思っていることを言うので、定期的にのあは刺されるんだよな

なので読んでいてのあが過剰に不快にならないのは良い所

 

まあ、グイグイくるメンドイ女が好きか

それに尽きる作品だと思います

 

 

以下ネタバレあり感想

 

 

 

 

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・のあ先輩と理人

超超かまってちゃんを地で行くやべー女じゃん…

こう、のあは割と自分の魅力を自覚していて、過去も見た目で色々得してきたんだろうな

自己愛が育っていて構ってもらえることを潜在的に当たり前だと思っているんだよな

だから「めんどくさい女だと思われた」とか「あたしと飲むの嫌?」とか言って泣く

二次創作キャラのハル君は「自分と付き合っている」と言う

自意識も過剰になっていて常にみられていると思っているのもなあ

カフェとかに「カップルばかりで浮く」とか、自分が誰かに見られて感想を持たれる価値があると思っている

 

そんな感じで行動原理が全部”自分がこうしたい”で構成されていて、それに巻き込むというか相手が時間を使ってくれる前提で物事を考えてばかり

自分が世界の中心になっていると思っていますよね

・・・

なんかいいね、生きやすそうでさ………

 

でものあ先輩は性根はいいんだよな

嫌みとか言わない、相手を攻撃しない

この一線を超えないから読者も理人もギリギリ許せる

この辺のバランス感覚は上手いと思います

 

あとのあ先輩を許せる理由として理人が良いキャラしている

理人はThe現代人って感じ

自分の時間が大事で自分の為に行動を選んでいく人生なので割と快適で不満が無い感じ…

そして周囲にそんなに興味がない、そんな態度が表に出るのが良い

のあ先輩が過剰に構ってコールするのに対して真剣に相手しないから、読者も疲れない

いい組み合わせだと思う

 

あと、こういうグイグイ来るヒロインってオタクには刺さるなあと思いました

女と縁遠い人間って単純に女に飢えていないから女と縁がない

それどころか自己肯定感も低くて誰かから必要とされることも少ない

だからこうやって好意剝き出しで近づいてくる女ってロマンある

特にSNSで思考を丸出しで裏表無い設定とか本当にオタクに細かく気を使っているなと思った

やっぱり純粋な人間ってわかってないとオタクは身構えますから

そういう風に疑心暗鬼になる所を上手く潰しているのが、次に来るマンガ大賞で受けた点なのかなあとか思ったりします

 

・友達

この作品のタイトルから、男女の友情とは?みたいな話かと思ったら…

のあ先輩と理人は実質付き合っているような関係だった

だけど本人同士は”友人”と主張する

周囲は”ええ…”と思う

 

確かに関係性の名前なんて当人間が納得していれば何でもいいんだよな

友達を始めとして恋人とか婚約者とか夫婦とか、結局他者に2人の関係性を伝えるために使用している肩書なだけなんだよな

周囲に親しい人のいないのあ先輩

あまり人と関わらない理人

この2人は関係を周囲に説明しないから、最初に提示された”友達”というフレーズを使い続けている

それだけの話だと思うんだよね

 

ただ肩書って色々な免罪符にもなるし立場の自覚も生むからな

のあと理人がここから先を進む時にきっと”友達”というフレーズが枷になるんだろう

別に今の理人がもっと先に行きたいと思っているようには見えないけどね…

その辺が今後の肝なんでしょう

 

~~~~~

今迄新規開拓で複数冊を読んだときは一気に感想書いてたけど、1冊単位で感想を書きたくなってきた

次からはバラすかも

 

終わり

鵺の陰陽師 6巻 感想


前巻

鵺の陰陽師 5巻 感想 - Manga_tokano_nikki

 

あらすじ

鏖復活の最大の妨げとなる祭祀刀を破壊するために襲撃をかける事を計画するレベル4達

それが間近だとわかっている鵺は精神と時の部屋的なところで学郎達を修行する

学郎達は修業がそこそこ終わったところでレベル4達に襲撃されて戦う事となる

 

 

以下ネタバレあり感想

 

 

 

~~~~~

・話の流れ

なんか2つに割れた玉葱みたないものをレベル4は使える、鵺は使えないとか言っているけど…

これ何だっけ

「道具」って皆が呼ぶから記憶に残らないんだが

キーアイテムは固有名詞用意して欲しいよ

 

そして鵺は祭祀刀が必要云々とか言っているけど、復活の条件みたいなの提示あったっけ?

なんか後からあれもこれもみたいな話していて、復活したいことはわかるけどどうすればいいのかは良く分からない

これも封印が”封印”以上の情報が無くて何をどうしているのか分からないことに起因するんだとは思う

もしかして色々説明合ったのかもしれないけど記憶から飛んでいる…

 

まあ大目標として

・レベル4という超強い幻妖達は鏖を復活して町の結界を壊そうとしている

・鵺は鏖が復活したら人が死ぬのでそれを回避するべく奔走している

という事だと改めて提示してくれたので話を追いやすくて助かる

 

この作品はヒロインの問題解決も同時に進めるから話の本筋が何かすぐわからなくなるからな

定期的に大目標を提示してくれるのは読者としてはあり難い

そんなことを思う会議シーンでした

 

あと思った事

祭祀刀を差している人口レベル4,なんであんな吹き抜けに吊るされているの

足元辿り着けないと剣がなんかの間違いで勝手に落っこちちゃいそうだけど

あ、逆?溶けた体が垂れたり間違って落っこちた時に被害を甚大にしないために下が無い?

というか柄を掴んで刀を上向けておけばいいんじゃないの

もしかして柄も腐食能力在るのか?

扱い辛すぎる刀だな…

 

・修行パート

この巻は最初四吶と一緒に寝ていたけど、今度は周防とも寝ている…

学郎いっつも女と寝ているな

しかし肝心の学郎はストイックというか自己肯定感が無さ過ぎるのか、あまりにも甘いシーンにならなすぎる

風呂入って悶々とするより謝罪が先行したり、胸をもんでも悪いことをしたみたいに反省の態度が先行する

誠実ではあるけど少年感は無いよなあ!?

 

なんかこの辺はもう少しヒロインだけじゃなくて学郎側でもリアクションあっていいんじゃないの

年相応におっぱい揉んだら思い出して手でワキワキしてもいいんだよ学郎くん

この調子だとオナニーすらしていなそうで不安

折角心身成長してきているんだから、こういう所も少しずつ我を出してほしいなと思ったりした

 

修行自体についてはなんかなって感じ

まず修行環境が倍速なのでご都合感凄い、その癖妙に話に尺がある

修業は展開的に面白くないから強制的に巻いているけど、強くなることを説得させたいからちゃんと説明もする

週刊連載という形式の都合と、作り手の話の整合性へのこだわりが妥協しあったエピソード

そんな印象を受けた

 

結果として強くなったことに説得力はないけど、修行して強くなったという体だけは提示されたって感じで面白くもなく…

なんかなあ

人気の為に常に強い敵と戦う都合上、戦いの数が足りていない事を解消する必要があるのかな

この辺数や練度じゃなくて本人の気づきと思いとかでどうにかならなかったのか

カグラバチは少なくとも強敵との戦いで気づいて刀の理解を深めた

その次元でいいんではないのか

 

まあ修行パートの中身的に作者のバックボーンと思想を感じる

学郎の技の精度を上達させるの、作者がゲーマーだからこういう話になったんだろうな

”技は精度と再現性を高めるもの”って発想が対戦ゲーム的な思考だと思う

で、こういう成長に楽しさがあるからこそ練習は大事的な考えも割とゲーマーだと思う

だから修行パートを定期的に挟んで来ようとするんだと思う

でも別に速攻で身についてもいいんだよ、ロマンの世界のフィクションだもの…

 

自分も成長を丁寧にやってもらえるのはうれしいけどね

それと人気は別ってのが難しい所だよなあと思う

なろうみたいにダラダラ連載できる出来る環境だと修行パートもキッチリかけるんだろうけど、如何せん打ち切りがな…

諸般の事情を感じる修行パートでした

 

・今後の読み

振り返るとこの巻は周防の過去解決の話になるわけだ

鵺という作品はヒロインをヒロインにするためにちゃんと過去の因縁のお悩み解決を挟むのよな

 

藤野→自分を縛る実家と縁切れたっぽいから解決…?

四吶→仇を倒したから解決

周防→婚約者の仇と対峙、倒したら解決

 

で、残るヒロインは鵺…?

鵺をヒロイン扱いするなら過去のお悩みが挟まるんだろうと思う

過去というならば鏖を退治したいという願いが過去に該当するんだろうか

であれば鏖は復活するんだろうなと予想してしまう

 

鵺が鏖を倒すとヒロインの問題解決が終わる

恐らく鏖倒せば幻妖の出現も無くなるから陰陽師という概念が不要になる

すると学郎が未来を決める話になる(だれを選ぶかという事)

という流れになりそうよな

 

そう考えると意外と終わり見えているな?

周防の話他ヒロインの問題解決ペースを考えれば次の巻には終わるだろう

鵺は倍時間かけたとしてもコミックス5冊程度=1年~2年程度?

案外2年以内に完結しそう

特にジャンプでの連載順位は中位だけど最近カラー貰えてないから立場怪しくて展開の出し惜しみをすることも無さそうだしな

 

連載期間が伸びるとしたらアニメ化して1期の放送期間中は連載されるように調整するくらいだろうか…

まあアニメ化するとしても単行本10冊程度が目安だから1年以内な気がする

なので引き延ばしは挟まるか微妙なラインだと思っている

 

どのみち単行本20冊はいかなそう

そんなことを考えるのでした

 

 

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毎回思うけど著者近影が上下左右に三角ついているのリンク召喚でもしているの?

遊戯王好きそう

 

この巻は修業巻なのでいう事があまりない

★3

 

終わり

 

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