庭木の剪定を自分でやる方法は?必要な道具や代行業者の料金相場
お掃除ノウハウ
更新日:2023.03.17
春から夏は、植物が枝を伸ばす時期。庭木を放置していると、いつのまにか庭木の枝が伸びすぎしまって見た目が悪くなっていたり、視界を遮っていたりすることがあります。庭木の剪定が必要になったとき、費用をかけて業者に剪定を依頼するより、自分で剪定したいと考える人もいるでしょう。
この記事では切るべき枝の見分け方や、自分で庭木の枝を剪定する際のコツや剪定に適した時期などを紹介します。
目次
切るべき枝を見分けよう
庭木の枝が伸びすぎてしまったとはいえ、どの枝でも切りさえすれば良いというわけではありません。庭木には、残すべき枝と切るべき「忌み枝」があり、忌み枝を正しく見分けて切る必要があります。
忌み枝とは、切らずに放置していると樹形が見苦しくなったり、花や果実がつきにくくなってしまったりする枝です。忌み枝にはさまざまな種類があるため、次でその特徴をくわしく解説します。
忌み枝の種類は?
代表的な忌み枝10種類を紹介します。庭木を剪定するときの参考にしてください。
1.並行枝:上下の近い位置に重なって生えている枝
2.下がり枝:下に向かって伸びた枝
3.胴吹き枝:幹から直接生える細い若い枝
4.逆さ枝:木の内側に向いて伸びている枝
5.ひこばえ:樹幹の地面に近い部分から出る若い枝
6.立ち枝:横に広がらず直立して伸びる枝
7.ふところ枝:樹幹に近い部分に出る細い枝
8.徒長枝:生長が極端に早く、突き出すように長く伸びた枝
9.交差枝:主な枝に絡まるように接近している枝
10.腹切枝:幹を回り込むように伸びている枝
忌み枝を切ることは庭木の健康を保つ上でも重要です。切りすぎには注意をして、全体のバランスを見ながら整えていきましょう。
自分で庭木を剪定するための道具
ここでは、庭木の剪定に使うハサミから代表的な4種類として「剪定バサミ」「植木バサミ」「刈り込みバサミ」「高枝切りバサミ」を紹介します。使用シーンに合わせて使い分けてください。
剪定バサミ
剪定バサミは手のひらに収まる程度の小型のハサミで、切れ味がよく、硬い枝も切りやすいため、細かい作業に適した道具です。低木や直径1.5cm以内の枝には剪定バサミを使います。
剪定バサミの一般的なサイズは180~225mm程度です。選ぶ際の目安としては手のひらと同じくらいの製品を選びましょう。男性なら220mm前後、女性なら180mm程度のものがおすすめです。小さすぎると切る際に余分な力が必要になり、大きすぎると手が疲れやすくなります。できるだけジャストサイズの製品を選びましょう。
植木バサミ
植木バサミも剪定バサミ同様、手のひらに収まる程度の小型ハサミです。直径1cm以下の枝を切れるハサミで、混みあった枝の剪定に適しています。太い枝を切ると刃こぼれしやすいので注意しましょう。植木バサミは刃が細く刃先がとがっているため、剪定バサミよりも細かい作業に向いています。
植木バサミも剪定バサミと同様に、自分の手に合ったサイズを選びましょう。持ち手が樹脂素材の製品は女性や手の小さい人にも扱いやすいのでおすすめです。
刈り込みバサミ
刈り込みバサミは庭木・植木の剪定から雑草除去まで幅広く使えるハサミです。刈り込みバサミには片手バサミと両手バサミ、剪定刃タイプの両手バサミがあります。用途に応じて適切な種類の刈り込みバサミを選びましょう。盆栽など小さいサイズの植木に使うなら片手バサミが適しています。
また、生け垣など広範囲の刈り込みや高さが2m以上ある庭木の剪定なら、持ち手が長い両手バサミが向いています。初心者や家庭用、生け垣や低い庭木に使うなら刃渡り150~160mm程度の製品が適切です。広範囲を一気に剪定したい場合は刃渡り165mm以上のものを選びましょう。
それから、太い枝を剪定するときは剪定刃タイプの刈り込みバサミが適しています。太い枝を切るにはグリップにバネが付いている剪定刃タイプの刈り込みバサミが適切です。
刈り込みバサミを切れ味の良さで選ぶなら銅製、サビにくさで選ぶならステンレス製が適しています。また、初心者は指はさみ防止用にストッパーの付いた軽量タイプの製品がおすすめです。
高枝切りバサミ
高枝切りバサミは手が届かないくらい高いところの枝の剪定や摘果などに使えるハサミです。
高枝切りバサミには手動タイプと電動タイプがあります。手動タイプは軽量で、小さい力で使えます。主に細い枝を剪定したい場合や、力のない女性・高齢者におすすめです。一方、一気に大量の剪定をする場合や使用頻度が高い場合は電動タイプのほうが効率的に作業できます。ただし、電動タイプはモーター搭載の分、重い点がネックです。
軽量タイプの高枝切りバサミのほうが軽くて疲れにくいので、たまに少し使う程度であれば手動タイプで良いでしょう。
自分で庭木を剪定するときのコツ
ここでは、忌み枝を自分で剪定していくときの主なコツ4つを紹介します。
高さと形を決めてから間引いていく
庭木を剪定する前に、どのような姿に仕上げたいか完成形を思い描いておくことが大切です。といっても、初心者が完成イメージを作るのは難しいかもしれません。そのような場合は、剪定後の高さと形を決めてから剪定に取り掛かりましょう。
まずは剪定後の高さを決めます。そして、庭木の上のほうに延びだした枝を切っていき、目指す高さにしましょう。高さが整ったら、次は樹形を決めて整えていきます。樹形には傘型、卵型、縦長などのデザインがありますが、初心者が樹形を大きく変える剪定をするのは難しいでしょう。その場合は、現在の樹形を生かして伸びすぎた部分を整える程度にするのがおすすめです。
庭木の輪郭ができたら、次は忌み枝や不要な枝を間引くように剪定していきます。切りすぎによる失敗を防ぐには、「切るのは不要な枝だけ」と意識しておくことが大切です。枝の生えている場所や太さによってハサミを使い分け、庭木全体のバランスを見ながら整えていきましょう。
枝の太さや生えている場所によって道具を使い分け、木全体を見ながらバランスを整えていきましょう。
枝を垂直に切る
剪定したい枝に対して垂直にハサミを入れます。このとき、切り口の表面積ができるだけ小さくなるようにすることが重要です。なぜなら、切り口の表面積が大きくなるほど雑菌が付きやすくなり、枝の回復を遅らせるからです。斜めに切ったほうが良い場合もないわけではありませんが、垂直に切るやり方が基本となります。
太い枝には「受け」という切れ込みを入れる
剪定バサミよりも太い枝を切るときは、まず、枝の根元から少し上の部分に「受け」という切れ込みを入れます。それから、枝先に近い部分に剪定バサミを入れて切り落としてください。
この手順を踏む理由は、受けを入れずに上から切り落とそうとすると枝の重みにより、切っている途中で生木を割くように枝が折れてしまうためです。枝を切り落とした後は、さらに、枝の付け根も切り落としてください。
芽や枝のすぐ上で切る
枝の途中から剪定する場合は、芽や忌み枝のすぐ上を切るようにしましょう。切り口が長く残ってしまうと見た目が悪くなってしまいます。また、庭木に負担がかかり、枯れ込みや病気の原因ともなりかねないので、切り口が長く残らないように注意しましょう。
芽の上で切る場合は、外向きの芽の上で切るのが原則です。内向きの芽の上で切ると、その目が立ち枝になってしまいます。
庭木の剪定におすすめの時期は?
庭木を剪定する時期は冬季と夏季がおすすめです。冬期剪定は基本剪定または強剪定とも呼ばれ、庭木の生長が活発になる春に備えて不要な枝葉を切除しておくために行います。夏季剪定は軽剪定とも呼ばれ、伸びすぎた枝葉を間引いて日当たりや風通しをよくするためのものです。また、夏季剪定には台風で枝が折れるのを防ぐ目的もあります。
剪定に最適な時期は庭木の種類によっても異なります。冬期剪定の場合、常緑針葉樹なら3月~6月、常緑広葉樹なら3月~6月、落葉広葉樹なら12月~2月がベストです。夏季剪定の場合、常緑針葉樹なら10月~11月、常緑広葉樹なら8月~10月、落葉広葉樹なら3月・6月・9月~10月が適しています。
庭木剪定は業者に依頼するのが安全
庭木の剪定を自分ですることはできますが、さまざまなトラブルが潜んでいるため、十分に注意しなければなりません。
たとえば、高い庭木の剪定をするために脚立を使用中、そういった作業に不慣れな人は足を踏み外して転落することがあります。また、慣れない剪定作業に長い時間がかかると手の関節に負担がかかり、腱鞘炎になるおそれが出てきます。また、樹木のケアに関する知識が不足していると剪定後の切り口の処理が不十分になり、かえって庭木の健康を害してしまうかもしれません。
プロの業者に頼めば自分で作業する負担を軽減できます。くわえて、自分でやるより綺麗に剪定してもらえ、切り口の処理についても安心です。
庭木剪定を業者に依頼した際の料金相場
プロの業者に庭木剪定を依頼するとして、どのくらい費用がかかるのかが気になる人も多いのではないでしょうか。ここでは庭木剪定を業者に依頼する場合の料金相場を紹介します。ただし、相場はエリアによっても異なり、都会は高め、地方は低めの料金設定が一般的です。
庭木剪定料金体系には日当制(時給制)と単価制があります。日当制は職人1人1日当たり約1.5万円~3万円、時給制なら職人1人1時間あたり約2,000~3,000円が相場です。とはいえ、作業にかかる時間は業者によっても異なるため、依頼前に口コミなどを確認するとよいでしょう。
単価制の場合は木の高さに応じて1本あたり約2,500~25,000円が相場となります。
家事代行のベアーズに庭木のお手入れを任せませんか?
家事代行サービスのベアーズの「暮らしサポート」には庭木剪定・伐採・芝刈り・除草など庭全体のお手入れを依頼できるサービスもあります。気になる費用についても、プロの植木担当カットデザイナーが現地調査をしてから見積もりを出すので、安心して依頼できるでしょう。剪定だけではなく庭木や庭のお手入れ全般を依頼できるため、庭の景観を整えたいときにもおすすめのサービスです。
冬期や年末年始、夏季やお盆休みなど、樹木の剪定に適したハイシーズンには予約が混み合います。希望の日時で依頼するためには、できるだけ早めに予約しておきましょう。
【参考】庭木の剪定・伐採・芝刈り・除草サービス/株式会社ベアーズ
まとめ
庭木剪定を自分でできれば費用を抑えることはできますが、高所からの転落や長時間の剪定作業による怪我をするリスクもあるため、十分な注意が必要です。また、切り口の処理を適切に行わないと、庭木の生長を妨げてしまうおそれがあります。
うまく剪定する自信がない、自分で剪定する時間がない、剪定だけでなく伐採や伐根など大掛かりな作業もしたい人は、プロの業者に依頼するのがおすすめです。
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